歯みがき嫌い!という人に朗報?

皆さんこんにちは 香川県丸亀市にある大西歯科医院です。

日頃から「歯みがきをしっかり行いましょう」とお伝えしていますが、今回は「歯みがきが苦手な方」にとっても朗報となるお話です。歯みがきをあまりしない、または丁寧にしないと、当然ながら虫歯になるリスクは非常に高いです。といっても、抜歯に至るまでのプロセスが昔と今では大きく変わっています。

30年くらい前は「詰める→神経を取る→抜歯」と、抜歯に至るまで治療は3回が一般的でしたが、15年くらい前になると、「詰める→大きく詰める→神経取って被せ物→中を掃除して被せ物→抜歯」と、治療回数は5回くらいになりました。

そして現在は「予防段階」が追加されています。
初期虫歯ならフッ素塗布やメンテナンスを行い、まずは経過観察です。次の段階で小~中程度の虫歯なら必要な分だけ削って詰め、神経治療は可能な限り温存を試みます。

痛みが出た段階で初めて神経を取るステップに進むので、全体として7回くらいの治療で抜歯に至ります。今は昔よりも歯を残す技術が進歩しているので、それはつまり歯が生き残る年数がグッと増えているということです。

抜歯になったとしても、抜いた歯をインプラントで使う場合だってあります。これはもちろん良いことですよね。今、総入れ歯になる人は滅多にいなくなりました。

だからといって、どの歯医者さんも「歯みがきしなくていいよ」とは言いません。

虫歯は「治す」から「進行を止める」時代へ

今の虫歯治療は、「削って詰める」時代から「進行を止める」時代にシフトしています。
初期虫歯(COと呼ばれる段階)は、まだ穴が開いていない状態。ここでは削る必要はなく、フッ素塗布や日々のメンテナンスによって自然に再石灰化を促すことができます。

再石灰化とは、歯の表面(エナメル質)から失われたミネラルが、唾液やフッ素の力で再び戻る現象です。つまり、体の自然治癒力のような働きが口の中にもあるということです。

定期的なチェックとクリーニングを続けていけば、虫歯が「削らずに済む」可能性がぐっと高まります。

フッ素と定期メンテナンスの力で虫歯を防ぐ!

フッ素には、歯を強くするだけでなく、虫歯菌の活動を抑える働きがあります。毎日の歯みがきで使うフッ素入り歯みがき粉に加えて、歯科医院で行う高濃度フッ素塗布を定期的に受けると、より効果的に歯の再石灰化を促すことができます。

また、定期メンテナンスでは、普段の歯みがきでは落としきれない汚れをプロの手で除去し、歯ぐきの状態をチェックします。実は「虫歯の早期発見」だけでなく、「虫歯を進行させない」ための最大のポイントは、この“定期的なチェック”です。

歯みがきが苦手でも、定期的に歯科を受診していれば、大きな虫歯になる前に対処できる。これが現代の歯科予防の強みです。

歯並びが虫歯予防に関係するって本当?

意外に思われるかもしれませんが、「歯並び」は虫歯予防に深く関わっています。歯が重なっていたり、ねじれて生えている部分は歯ブラシの毛先が届きにくく、汚れやプラークが残りやすいのです。

その結果、虫歯だけでなく歯周病のリスクも高まります。最近では、矯正治療を“見た目のため”だけでなく、“予防のため”に行う方も増えています。歯並びを整えることで歯みがきの効率が上がり、汚れの溜まりにくい環境をつくることができるのです。

特にお子さまの場合、早めに歯並びを整えることで将来の虫歯リスクをぐっと減らすことができます。

まとめ

今は「虫歯を削って治す」よりも、「虫歯を進行させない」「歯を残す」時代です。歯みがきが少し苦手な人でも、定期的なメンテナンスとフッ素の力を味方につければ、健康な歯を長く保つことができます。